透析装置・透析液清浄化システム

近年、ダイアライザーの性能の向上により、透析液からの細菌が体内への逆流が原因でおこる合併症の予防の為、2011年度より、透析液の清浄化への保険点数が加算になりました。

時正会クリニックでは、いち早く2001年より透析液清浄化システムを導入しており、患者様の生活の質(QOL)の向上に努力してまいりました。

今後とも、さらなる生活の質(QOL)の向上を目指して、設備などの充実を図ってまいります。

今回導入した透析装置「JMS社製透析用コンソールGC-110N(※)」は、患者様に使用している血液回路やダイアライザーの洗浄を、清浄度の高い透析液にて行うことができます。補液時や返血時もこの透析液を使用しており、従来の透析装置より速やか、かつ簡便に処置を行うことができますので患者様の負担が軽減されます。また、装置が自動機能を有していますので、スタッフは患者様の処置に注力することで医療事故の低減化をはかることができ、患者様の急変にも対応可能です。

※厚生労働省から新医療用具として承認された、高機能かつ安全性を向上させた装置です。

透析液清浄化システムの概略フロー

透析液の清浄度を保つために、透析液を作る透析用水から患者様に使用する透析液まで、トータルでのシステムを導入しております。今回導入した透析装置では、透析液を用いて、患者様が使用している血液回路やダイアライザーの洗浄もしています。

透析用コンソール GC-110N

全自動コンソールの機能概要

  • 自動プライミング
    逆濾過透析液を用いた自動プライミング機能
  • 自動脱血
    除水機構と血液ポンプを連動した動静脈同時自動脱血機能
  • 急速補液
    逆濾過透析液を用いた急速補液機能
  • 自動返血
    逆濾過透析液を用いた自動返血機能
  • 液抜き
    除水機構と血液ポンプを連動させ、血液回路・ダイアライザー内の残液を除去

この透析装置の機能詳細

1. プライミング機能

透析液を使用し、血液回路やダイアライザーの中をきれいに洗浄します。

今までの生理食塩水液を用いたプライミングと比べると、血液回路やダイアライザーの中を洗浄する効果が向上します。

2. 脱血補助機能

ボタン操作だけで自動的に、患者様から血液を血液回路やダイアライザーのほうへと導き出します。

従来のように複雑な操作がありませんので、スタッフは患者様の処置に専念することができ安全性が向上します。

3. 急速補液機能

透析中に患者様の急激な容態変化に即座に対応できるよう、必要な時にワンボタン操作で、血液回路内に透析液を用いダイアライザーを介して逆濾過させ、自動的に補液することが可能です。

スタッフは患者様の処置に専念することができますから安全性が向上します。

4. 返血補助機能

透析終了後に、ボタン操作だけで患者さんへ血液を返します。

透析液を用いダイアライザーを介して逆濾過させ、動脈側と静脈側を同時に返すことで、患者様へ血液を返します。そのため、血液を返す作業が従来よりも簡便かつ速やかに行うことができます。スタッフは患者様の処置に専念することができますから安全性が向上します。

全自動コンソールの使用条件

全自動コンソールは生食の代わりに逆濾過透析液を使用するため、透析液清浄化が必須条件です。

RO装置 ピュアフロー

清浄化のポイント

RO水の清浄化

(清浄化対策されたRO水の供給)

シンプルな配管構造

(デッドスペース、接続、分岐は最小限)

カプラの管理

(内部汚染、定期洗浄、汚染対策カプラの使用)

エンドトキシン検体採取、測定

(採取方法の確立、環境の整備)

このRO装置の機能詳細

1. RO水ダブル逆浸透機構

一度ROモジュールを通った水を再度ROモジュールに通すことにより、高水質なRO水を供給することが可能となっております。再度ROモジュールに通すことにより、二次汚染の防止にもなっています。

2. フルバックアップ機構

装置に使用している各ポンプがトラブルを起こした場合、ポンプのバックアップ機能により、安全性を向上しています。また、バックアップ機能により、透析中にRO水を絶やすことなく、常に新鮮なRO水を供給することが可能となっています。

RO水ダブル逆浸透機構

全身型骨密度測定器(Hologic Discovery)

全身型骨密度測定器(米国ホロジック社Discovery)を導入しており腰椎・大腿骨・全身の骨密度測定が15分程度の測定時間で正確なデータを得ることができます。骨粗鬆症の診断、治療効果の判定が正確に可能です。

※ 碑文谷腎透析クリニックのみ設置